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ビジネススキルはエンジニアスキルよりも重要

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エンジニアスキルよりもビジネススキル


ビジネススキルとエンジニアスキル

エンジニアとして一人前の仕事をしようと、がむしゃらに気負っている間は、専門的な知識や技術の習得が至上命題であって、それ以外のものなど、眼中にはないかもしれません。しかしやがてその優れた技術や知識を活かして、関わって行く様々なプロジェクトを成功させたり、ひいては会社の業績を向上させるという段階になった時、必要となるのはビジネススキルです。エンジニアの仕事は自己完結している部分ばかりではなく、むしろ他者との連携が不可欠の要素となっている部分が、少なくありません。
例えば通常のメンテナンスでユーザーと接する場合でも、何か不具合がないのか、現場に不満はないのか、といった聞き取りは、人対人のコミュニケーションです。逆にこのようなコミュニケーションを苦手にしていると、いつまで経っても自分本位に技術や知識を使うだけで、本当にクライアントやユーザーが求めているニーズに沿った開発などというものはできないでしょう。
ビジネスに限らず、「手段が、いつの間にか目的化する」という状態には、よく陥りがちなものですが、技術や知識を重んじるあまり、「何のために、その技術や知識が必要なのか」という点を置き去りにしていると、やがて会社でも地位が上がり、責任が重くなるにつれて、上手く行かなくなってしまうということが起こりやすくなるのです。

良いものを作れば評価される時代ではない

かつて日本の職人技がもてはやされて、黙っていても良いものを作れば売れる時代がありました。もちろん今でも優れた職人技は様々な分野で高く評価されていますが、それでも消費者もクライアントも、日々大量の情報に接しており、まして移り変わりの激しいIT業界において、良いものを作るだけで評価を受けられるという時代ではなくなっています。そうなると、技術や知識の高さだけが評価されるわけではなく、プラスアルファとして、きめ細やかな心配りや気遣い、また分かりやすい説明や、ちゃんと話を聞いてくれる、といったコミュニケーション能力などとも相俟って、基本的なビジネススキルが物を言うことにもなるのです。
近年さかんに「ブランド力」という言葉がマーケティングの世界では使われています。モノを単にモノとして売り出すのでは、やがて安売り競争に巻き込まれて買い叩かれてしまいますが、物語性などを通じて、全体としての大きな価値を売り込むことにより、一定の成功を収めているのです。同じく、自分自身の価値を単なる技術や知識に限定させない工夫が、将来に渡って活躍する場を広げることになるという点は、エンジニアが将来設計を考える上で重要なポイントになるでしょう。

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